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新型コロナ対応で大幅赤字「先行きは深刻」- 田中雄二郎・東京医科歯科大学学長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年7月1日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【田中雄二郎・東京医科歯科大学学長に聞く】 Vol.1 「最悪のシナリオ」を想定し新型コロナに対応 Vol.2 新型コロナ対応で大幅赤字「先行きは深刻」 Vol.3 “コロナ禍”での学長交代「ピンチをチャンスに」 ――新型コロナ対応にあたって、心がけたこと、苦労されたことは何でしょうか。 1番目は、職員の不安感の払拭です。新型コロナ対応に力を入れるのは、大学としての使命を果たす意味では必要ですが、職員にしてみれば、「自分が感染するかもしれない」「もしかしたら、逝ってしまうかもしれない」などと不安を抱く。「学長からのメッセージ」を何度か送り、感染確率は、「20代であれば、1年間に交通事故に遭う確率と同じくらいです。さらにガウンなどで防御すると、その1000分の1、つまり航空事故に遭う確率まで下がります」など、リスクを正しく理解できるような表現で説明することで、安心してもらうよう心がけました。個人防護服が不足する懸念もあったので、あらゆる手段を講じて早めに確保しました。何より、職員の感染を防ぎたかったからです。 2番目は、どうしても通常診療を制限せざるを得ないため、患者さんの理解が得られる...