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「かかりつけ医の社会的処方」、松田産業医大教授が重要性強調

レポート 2019年5月27日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

「日医かかりつけ医機能研修制度」の2019年度応用研修会が5月26日、日本医師会館で開催され、講師の一人である産業医科大学公衆衛生学教授の松田晋哉氏は、患者の社会的生活を医学的な側面から支援する、「社会的処方」(Social prescribing)がかかりつけ医の重要な役割であるとし、その実践を働きかけた。 「社会的処方」の起源は、イギリスのNHS。General Practitioner(GP)が「社会的処方」の主たる担い手だ。日本では、介護保険の主治医意見書などが「社会的処方」に相当する。がんでは5年生存率が高まり、治療を受けつつ就労を続ける患者が増えており、メンタル的に課題を抱えた患者なども増加、かかりつけ医による「社会的処方」が求められる場面は多々あると松田氏は指摘。 イギリスでは、「Fit Note」という処方箋(情報提供書)を、GPが発行する仕組みが導入されている。傷病を持つ労働者が就労継続・復職等をする場合に、GPが「Fit Note」に注意事項を記載し、事業主に渡す。日本に多い50人未満の小規模事業所では産業医がいないケースが大半であり、産業医がいる場合でも必ずしも対...