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「がんもどき」「データ捏造」間違い - 勝俣範之・日本医大武蔵小杉病院腫瘍内科教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2014年6月18日 (水)  聞き手・まとめ;橋本佳子(m3.com編集長)

――次に、本の内容について、お聞きしたいのですが、工夫された点、苦労された点などがあれば、お教えください。 まずエビデンスをきちんと書くこと。もう一つは、近藤先生が決定的に間違っているところを、きちんと理論的、科学的に論述することです。 「近藤先生には、一般向けではなく、医学誌にもきちんと投稿してもらいたい。学会にも来て、真剣に議論してもらいたい」(勝俣範之氏)。 ――近藤先生が「決定的に間違っている」と思われる点はどこでしょうか。 近藤先生の主張の仕方は、科学的のようで科学的でないことです。分かりやすく言うと、一部の点は、科学的にも非常に的を射た指摘をしているのですが、大部分が自己の主張を通すために、医学論文を無理にこじつけている点です。冷静、客観的に自然現象を論述するのが科学でしょう。近藤先生は、自分の主張が先にあって、それに合いそうなデータを持ってきているだけなのです。それは科学ではなく、単なる個人的な見解にすぎません。 エビデンスレベルで言えば、RCT(ランダム化比較試験)やメタアナリシスには、個人の考えが入る余地は少なく、最も信頼できるデータです。一方、個人の経験、主張は最も...