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尾身会長「トンネルの先は見えている、エンデミックに」

レポート 2021年5月29日 (土)  小川洋輔(m3.com編集部)

 基本的対処方針分科会の尾身茂会長は5月28日、緊急事態宣言の延長を正式に決めた対策本部後の記者会見で、高齢者への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が進めば一定の感染者数が出ても医療への負荷が減ると強調し、「ワクチンという福音はある。トンネルの先は見えている」と宣言延長に理解を求めた。東京五輪・パラリンピックについては、「感染リスクはスタジアム内ではなく、むしろ地域の一般コミュニティーにあると思っている」と述べ、パブリックビューイングなどの関連イベントで人流が増えることに強い警戒感を示した。 尾身会長は「1年間に3度もの緊急事態宣言を出したのはなぜか。感染の拡大もあるが実はそこではない。1回目も2回目も3回目も、オーバーシュートの前に医療崩壊に近いことが起きている」とこれまでの対応を振り返り、「(国民が)1年以上我慢してつらい思いをしてきた。このウイルスは簡単にゼロにはならない。年が明けても無くなるというより、少しずつパンデミックからエンデミックのようになる」と今後の見通しを示した。その理由として、「もうしばらくすると高齢者にワクチン(が行き渡る)、これは間違い...