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山梨大学における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘い

オピニオン 2020年3月12日 (木)  島田眞路(山梨大学学長)

本稿のポイント 1.日本初のSARS-CoV-2による髄膜炎/脳炎患者の発見に至った理由 2.COVID-19対応に向けた山梨大学医学部附属病院の取り組み 3.現在の課題と今後の見通し 4.謝辞 山梨大学学長の島田眞路氏(写真提供:山梨大学) 1.日本初のSARS-CoV-2による髄膜炎/脳炎患者の発見に至った理由 2020年3月7日(土)の23時半、連日となった記者会見は3日目に突入していた。初日5日の記者会見は、山梨大学医学部附属病院(山梨大病院)での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者(クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客)の受け入れ状況について、2日目6日は山梨県初のCOVID-19患者の受け入れについてであったが、3日目は、意識障害で救急搬送された20歳代の患者の髄液PCR検査から、SARS-CoV-2の感染を疑う所見を検出したことの発表であった。日本国内初のCOVID-19による髄膜炎/脳炎の報告であり、患者の年齢が若かったこともあって、深夜の発表にもかかわらず、社会に衝撃をもって受け止められた。翌日には、全国ニュースやワイドショーでも取り上げられる社...