進化するSCOT、術者の意思決定支援も - 村垣善浩・女子医大先端生命医科学研究所副所長に聞く◆Vol.2
インタビュー 2022年1月18日 (火) 聞き手・まとめ：橋本佳子（m3.com編集長）
――先生ご自身、脳神経外科ですが、そもそもHyper SCOTをはじめとする「スマート治療室SCOT」の発想はいつ頃からお持ちだったのでしょうか。
私の専門は脳神経外科の中でも、悪性脳腫瘍です。脳腫瘍手術では、「腫瘍の境界が分かりにくい」「摘出しすぎると合併症が出る一方、腫瘍が残っていれば再発の懸念がある」といったジレンマがあります。その解決に向け、解剖学的情報（術中MRIやナビゲーションシステムなど）、機能的情報（覚醒下・運動誘発電位など）、組織学的情報（フローサイトメトリー）という3つの情報を使う「情報誘導手術」に以前から取り組んできました。...