1. m3.comトップ
  2. 臨床ニュース
  3. 成果を求めるアプローチの限界――こぼれ落ちる量は死に向うほど多くなる

成果を求めるアプローチの限界――こぼれ落ちる量は死に向うほど多くなる

2024年1月3日  南山堂

成果を求めるアプローチの限界 孫 一般的な質問になってしまいますが、科学の進歩が目覚ましいなか、宗教の力はこれからどんどん弱まってしまうのか、それともテクノロジーの時代だからこそ宗教観がすごく大事になってくるのか、森田先生はどう考えていますか。 森田 今はロボットがお経を唱えて、ご法話もできる時代になってきていますから、テクノロジーの波は宗教界にも押し寄せていますね。 ともすれば社会のなかでは利便性、効率性がものすごく追求されています。結果、成果、効果というアウトプットがすべて、という形でプロセスを飛ばして結果がよければ、終わりがよければというようになっている怖さがあります。 孫 医療においてもよりよい治療法や薬ができて、より健康で寿命を長くできるようにという成果を追求していますね。 森田 たしかに結果や効率性を重視すると白黒もはっきりします。それが明らかになっているほうがスピード感を持って次のステップに移ることができるのだと思います。そのなかで宗教はつかみ所がなくて、なんとなく非効率な部分があるというのが世間的な見られ方ではないかなと思います。つかみ所がない、非効率、私自身はアナロ...