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これが髄膜炎を見逃さないために必要なスタンスだ

2023年10月20日  南山堂

疑問1 どんなときに髄膜炎を疑いますか? 髄膜炎を初療の場で除外することはできない。重症感染症を見逃さない。 ◆中枢神経症状+感染症、またはフォーカス不明の重症感染を疑ったとき。 ◆髄膜刺激徴候の感度は低い。 ◆初診で確定診断にこだわらず、重症度と緊急度を意識する。 髄膜炎は中枢神経がフォーカスなので、感染症の可能性があり中枢神経症状があれば髄膜炎を疑う。また、フォーカス不明の発熱で緊急度が高い場合(敗血症性ショックなど)も髄膜炎は鑑別に必ず残す。初診時の呼吸・循環が不安定な場合は腰椎穿刺も危険な場合があるので、血液培養を採取した上で腰椎穿刺を行わず、抗菌薬を髄膜炎量で開始することもありえる。 細菌性髄膜炎の典型的な症状は発熱、項部硬直、意識障害だが、低年齢であるほどこれらの症状がそろいにくくなる。髄膜炎を疑う所見である髄膜刺激徴候の感度・特異度を表17-1に示す1)。 いずれも特異度は高いものの、感度が低く(つまり髄膜刺激徴候がはっきりしない症例も多い)、除外には使えない。jolt accentuationは感度が97.1%と高く、除外に有用という報告があった2)。しかしその後の追...