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小児片頭痛の治療、処方のポイントと注意点

2022年5月26日  南山堂

[1]診断 小児の片頭痛は、国際頭痛分類 第3版を用いて診断する(表3-4-1、3-4-2=m3.comの連載では割愛します。詳細は本書をご覧ください)。成人と比べて持続時間が短いことや、両側の前頭側頭部が痛くなりやすいことが小児の片頭痛の特徴である。随伴症状は悪心あるいは嘔吐が最も多い(図3-4-1、筆者の施設を受診した患児671 名の症状の内訳)。 自覚症状である光過敏と音過敏の有無は、わかりやすい言葉で問診しなければ聞き出すことは難しい。国際頭痛分類 第3版に追記されているように、年少児の光過敏や音過敏は行動から推測することも可能である1)。頭痛の訴えは3歳頃には可能となるが、随伴症状が明らかでない幼児の片頭痛診断は容易ではない。むしろ、片頭痛に関連する周期性症候群である「周期性嘔吐症候群」(後章参照、m3.comの連載では割愛します)の存在を知っておくことが重要である。 個々の症例で異なるが、睡眠不足、睡眠過多、ストレス、精神的緊張状態からの解放などは、片頭痛発作の誘因となることが多い。また、夏場、人混み、天候の変化、気温差、特定の臭い、空腹などは増悪因子の代表例である。...